こんにちは。歯科医師の楊です。
みなさんは歯並びで悩んだことがありますか?もしくはお子さんの矯正治療を考えたことはありますか?
矯正治療をするきっかけは十人十色ですが、「見た目」を気にして始める方が多いです。しかし、矯正治療には、「見た目がよくなる」以上のメリットがあります。
ところで、みなさんは自分の歯が何本あるかご存知ですか?一般的な本数は28本です。そのうち20本あれば食生活にほぼ満足することができると言われています。厚生労働省と日本歯科医師会が「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動(8020運動)を始め30年ほど経過しますが、開始当時は達成率10%にも満たなかったものの、現在では50%を超えています。
しかし、残念ながら定期検診に通い、歯磨きに気を遣っていても虫歯や歯周病から抜歯が必要になってしまう方もいます。そのような方は8020達成者となにが違うのでしょうか?8020達成者の歯並びを調べると興味深いことが分かってきています。
8020達成者の歯並びは…
・80%以上が正常な噛み合わせ
・受け口(反対咬合)がほとんどいない
・前歯が当たらない噛み合わせ(開咬)がほとんどいない
・著しくデコボコの歯並び(叢生)、出っ歯(上顎前突)、深い噛み合わせ(過蓋咬合)が30%以下
開咬
反対咬合
このように、悪い歯並びが歯の喪失に関わってくることが明らかになってきました。その理由として、以下の原因があります。
・歯並びがデコボコのところは磨きづらいため汚れ(プラーク)が溜まりやすく、虫歯や歯周病になりやすい
・噛み合わせが不安定(反対咬合や開咬など)だと強く当たる歯に負担がかかりすぎる
・出っ歯(上顎前突)だと口呼吸になりやすく、虫歯や歯周病を助長する
正しい歯並びは見た目が良いだけでなく、歯を健康な状態に保つためのセルフケアがしやすいという大きなメリットがあります。同じ時間歯磨きをしても、デコボコの歯並びよりも正しい歯並びの方が汚れを落としやすいためです。正しい噛み合わせは歯に均等に力を分散させ、歯の長持ちにつながります。歯並びや噛み合わせで気になることがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。一生元気に食事をするために、セルフケアのしやすいお口を一緒に目指していきましょう。
2021年6月1日 (火)
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