こんにちは、勤務医の中野です。
「歯科臨床家の予防矯正、その考え方と治療の実際」 の1.5日の小佐々 晴夫先生、西田 尚人先生によるセミナーに参加しました。
予防矯正とは、不正咬合の予防に努める、成長発育を正常にする、異常発育を是正するということです。
形態をすぐなおしたくなりますが、まずはその前に原因を探すことが大事になってきます。原因除去が予防矯正の第一歩になるのです。
1つは、姿勢的問題の究明です。
姿勢と咬合の関係は直接影響してくるのでしっかり気をつける必要があります。例えば、頭部が右に傾斜すると下顎は、右へ傾くのです。
2つ目は、機能的問題の究明です。
態癖、悪習癖なども確認しておく必要もあります。例えば、舌癖や咀嚼、嚥下の異常です。
矯正を始める前にそれらの問診をし、把握して改善できるようにそれぞれアプローチしておくべきです。
3つ目は、形態的問題の究明になります。上下歯列の異常や、舌小帯異常などです。
予防矯正の対象は、後天的問題です。
例えば、反対咬合の場合、吸啜時の問題、下顎前歯が最初に萌出すること、指しゃぶり(ひとさし指、中指)、舌小帯が短いと口蓋に舌がいかないから下の歯を押そうとしてしまう、口呼吸、上唇を巻き込む癖、反対に噛む癖などの原因が考えられます。
上顎前突の原因は、過度な指しゃぶり、長期による口呼吸、上唇の緩んだ口呼吸、鼻づまりによる口呼吸、下唇を噛む、クラリネットなどの吹奏楽器の長期使用などが考えられます。
狭い歯列、ガタガタの歯並びの場合はうつ伏せ寝、横向き寝、頬杖、開口、舌小帯異常や、原因不明ではありますが、永久歯が大きくなったということなどが考えられる。
咬み合わせが深い原因は、咀嚼不足、舌筋力不足、口呼吸、乳白歯部の歯冠崩壊や早期喪失、悪習癖などが考えられる。
歯並びをみてすぐにどのような装置を使うかという先のことばかりをみてしまうが、このようになぜこんなふうな歯並びになったという原因を探る事も大事なことなのです。
機能の異常が見えてくる目をもつこと、姿勢の異常に気づく目をもつことが、予防矯正の基本だということを改めて思いました。
2018年8月6日 (月)
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